ザザ~ンと押し寄せる波…。
大きな波が去った後、砂浜には色々なモノが打ち寄せられます。
貝がらや石。
海藻や珊瑚のカケラ…などなど。
まるで、波が残していった忘れ物のようです。
それが語源になって、何か大きな出来事があった後に心に残る「余韻」のことを「波残り(なみのこり)」と言うようになりました。
奈良時代のことです。
そして、その「波残り」が詰まって、「なごり」と発音されるようになりました。
現在使われている「なごり」の漢字は「名残」ですが、もともとは「波残」からきています。
過ぎ去った波が大きければ大きいほど、「波残り」も多くなります。
たっぷりと楽しい思いをしたあとは、寂しくなります。
情熱的な恋愛をしたあとは、せつなくなります。
大きな成功を手に入れたあとは、しばらく胸が震えます。
楽しい「波残り」も、せつない「波残り」も、
どちらも「全力で取り組んだ出来事がもたらした1つの結果」です。
なごりは、ダラダラとした作業では決して生まれない心情だからです。
たくさん有意義な経験をして、同じ数だけの「波残り」を拾い集めること。
それが人生の醍醐味なんじゃないかな。
私は最近そう思っています。