塾長ブログ

それは事実なの?それともあなたの意見なの?

国語塾みがくでは早い時期に、「客観」と「主観」という言葉を指導します。


客観は「データなどに基づく事実・一般的なものの見方」のこと。

一方、主観は「自分の意見や考え・感想」のことです。

この、主観と客観の認識があいまいだと国語力やコミュニケーション力にも支障が出てきます。


例えば、昨日映画を観にいったというAさんに、

「昨日、映画に行ったんだよね?どんな内容だったの?」と聞きました。

それに対して、Aさんはこう答えたとします。


「うん、まあまあ面白かったよ。恋愛モノで私は好きだった。戦争で恋人と離れ離れになったヒロイン…えっと、誰だっけ…バラエティ番組に最近良く出てるカワイイ子…忘れちゃったけど、とにかくその主人公が、私には絶対出来ないけどさぁ、その彼氏を待ち続けるのね。待っている間、羨ましいことにめっちゃたくさんの男の人と新たな出会いがありつつ(笑い)も、ずっと健気に待ち続けるの。結局、最後は無事にその彼氏と会えて嬉しい…って泣いてしまうストーリー。」


わからなくはありません、決して。

でも、どこかごちゃごちゃしている印象がありませんか?


ごちゃごちゃに感じる理由の1つ。

それは、客観と主観をごちゃまぜに話しているからです。

Aさんの言葉には、部分部分で「Aさんの感想・意見」が挿し込まれています。

その主観部分が、映画のストーリー(客観)をわかりにくくしているのです。


人に話をする時や文章を書く時には、この客観と主観をしっかり区分けして述べたほうが伝わりやすくなります。

人の話を聴く時や、文章を読む時にも同じです。

話し手のどの部分が主観(話し手の感想・意見)で、どの部分が客観(事実)なのか。

それを考えながら聴いたり読んだりすると、情報の理解度がぐんと高まります。


先ほどのAさんの言葉をもう一度読んでみましょう。

客観部分を青色に、主観部分を緑色に、客観なのか主観なのかが話では不明な部分を赤色に色分けしてみました。

「うん、まあまあ面白かったよ恋愛モノ私は好きだった戦争で恋人と離れ離れになったヒロインの人生…えっと、あの女優誰だっけ…バラエティ番組に最近良く出てるカワイイ子…忘れちゃったけどとにかくその主人公が、私には絶対出来ないけどさぁ戦争に行った彼氏を待ち続けるのね。待っている間、羨ましいことにめっちゃたくさんの男の人と出会いがありつつ(笑い)も、ずっと健気に待ち続けの。結局最後無事その彼氏と会えて嬉しい…って泣いてしまうストーリー。」

主観と客観が入り混じっていますね(笑)。

「健気に」「無事に」「嬉しい…って泣いてしまう」に関しては、Aさんの感想なのか、事実(実際のあらすじ)なのかがはっきりしません。

また、「たくさんの男の人」「最後」という客観的事実を述べている部分も、曖昧すぎて今いちピンときません。


客観を述べてから主観を言う。または、「ここからは私の感想(意見)なんだけどね…」としっかり分けて話を進める。


★客観的な事実を述べる時には、数字やデータを使ったりして出来るだけ具体的に表現する。


これらを気をつけるようにすると、聞き手や読み手に誤解されることなく、自分の言いたいことを理解してもらえる話し方(書き方)になります。



以上を踏まえて、Aさんの言葉をすっきり整理してみます。

「戦争で恋人と離れ離れになったヒロインの人生を描いた恋愛モノ。主人公は2人の男性と出会いながらも、戦争に行った彼氏を待ち続けるの。戦争が終わって彼氏が帰還するんだけど、再会した2人は泣いて喜び合う…っていうストーリー。私はまあまあ面白かったよ。ヒロインがモテモテで羨ましかったわ(笑)」


客観(この場合、映画のストーリー)をまず主観抜きで語り、そのあとに「私は…」と主観を述べると良いでしょう。



この客観と主観の認識は、「話し方や聞き方」、「書き方や読み方」の上達にもつながる大事な要素なのです。


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