国語専門塾みがくを開校する前は、1日1冊ペースで読み漁っていた自己啓発本。「人を動かす」「心が軽くなる生き方」…みたいな、意識改革を促す類いの本です。
でも、最近はほとんど読まなくなりました。読んで得た知識をなかなか上手く実践できなかったり、実践したところで満足した結果が出なかったり。そのうち諦めてしまったのか、逆にその手の書物に反感すら覚えるようになってしまうほどに。…この「0か100か」思考は、若い頃の私が陥っていたダメな考えの1つです。
「何かが大きく変わるかも。いや、変えてやる!!」などと鼻息荒く、どこか切羽埋まった感で読んでいたのかもしれませんね。過度な期待をせず、参考にできるところがあれば取り入れてみようかな。そんな軽い気持ちで読めばいいのですよね。
そもそも本に自分を変えてもらおうなんて考えが甘かったのです。髪型ならともかく、人間を「変える」ことは難しいことです。長年の癖や性質を断ち切って、短期間で劇的に変わることはほぼ不可能。本当に変わりたかったら、自分ととことん向き合ってそのダメっぷりを再認識し、継続して努力する以外にないのだと思います。小さなこと、些細なことでも続けていれば必ず変化は訪れます。それを信じて動くしかありません。動かずに、続けずに、変わることなんて決してない。私はそう思っています。
では、どう動くのか。何を続けるのか。
固定観念に凝り固まったガチガチ頭やコチコチ心では迷走しがちです。
動き方のヒントをもらえそうな本を見つけたのでご紹介しますね。
筆者はイギリスのアーチャン・ブラーム氏。仏教のお坊さんで、瞑想の師としても世界各国で人気な方だそうです。視点を変えれば世界もまた変わって見えるという論点から、全五章32話構成の、それぞれ短くてわかりやすい講話が綴られています。取り立てて目新しいことは書かれていませんが、何故か心にすうっと入ってくるから不思議です。