塾長ブログ

ジレンマ

みがくの授業は1週間に1度。1回90分。それだけの時間で国語力を上げていくためには、日頃の自宅学習も当然不可欠です。お節介で心配性な私は、もしできるのなら、生徒全員の家庭訪問をして、本当に勉強しているのか、どんな勉強をしているのか抜き打ちで見に行きたいぐらいです。だけどそれは無理な話ですよね。

たまにですが、「家では何もしないので、国語塾に連れてきました」と言うお母さんがいます。申し訳ありませんが、それでは国語力はなかなか上がりませんよ、と答えざるを得ません。「家で何を勉強したら国語の力がつくのかわからないので、連れてきました」なら大歓迎なのですが。

指導者は監督としての役割もあると思っています。今その子に足りない力は何かを把握して、普段はどんな練習を継続したらよいのか。それを教えて出来をチェックする。作文なり、ドリルなり、漢検ステップなり、みがくで宿題を出しているのはそのためでもあります。

それらを何もやってこない。再三こちらで忠告しても改善されない。そんな状態で力を上げてくれと言われても難しいのは当然です。もちろん、生徒のやる気を引き出し、モチベーションを上げるのも指導者の責務ではあります。ただ、こちらが考えて立てたメニューをまるで無視して「成績が上がらない」と言われても無理な話です。特に、みがくは「国語を楽しむ」ことを前提に指導を進めている塾です。他の学習塾より、心理的にも負担は少ないだろうと自負しています。宿題もその子の力に合わせて無理なく設定しているつもりですし、取り組ませ方にも工夫を凝らしているつもりです。「多くてできない」「難しくてできない」と言われないように配慮をしています。

国語という教科は特に、複合的な要素が絡み合って成っています。それ故、子どもの成長とともに長期的に身に付いてくる部分が強い教科でもあります。問題の解き方、いわゆる「解法」は簡単に教えられても、真の国語力(読む、書く、話す、聴く力)はそうはいきません。その子の成長とともに「育て上げて」いくものだからです。国語学習に早道も近道もありません。

「塾に行っているから大丈夫」と努力を怠る子と、「塾に行っていない時間も頑張ろう」と考えて机に向かう子とでは、後々雲泥の差が出てきます。そして、この差は学習面だけには止まりません。あらゆることに通じる差でもあるのです。

塾講師なら誰でも感じるだろうジレンマの話でした。


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