今は疎遠になってしまいましたが、割と仲の良かった古い友人(Aちゃんとします)がいました。
機転の利く聡明な子でしたが、彼女と話す時はいつも緊張感が漂っていたものです。と言うのも、Aちゃんはいくつも地雷(NGワード)を持っていて、私たちがそれをうっかり踏んでしまうと大変な目に遭うからでした。例えば、当時付き合っている人がいなかったAちゃんの前では彼氏の話は御法度。Aちゃんから聞かれるまでは話題にすら出せません。また、容姿の話もNG。ぽっちゃりしているのを悩んでいたAちゃん。「あれ?少し痩せた?」なんて言うと大変!「えっ、痩せていないけど。それって前は今よりもっと太っていたってこと?」と怒り出してしまいます。安易に褒めることも危険で、「上手い!」などと言うと、「…なんで、上から(目線)?」と返されてしまうのです。一度怒らせると1週間近く変な空気になるので、私たち友人はAちゃんの地雷を踏まないようにと細心の注意を払いながら過ごしていました。3年ほど経った時、私のほうが爆発してしまって喧嘩別れしてしまったのですけどね…。その日も全くこちらの本意ではないことでAちゃんが怒り出したのですが、心に余裕が無かった私は「言葉尻を捕まえて勝手に不貞腐れるのやめて。言葉じゃなくて、それを言っているこっちの気持ちをもっと汲んでよ。Aとはもう付き合いきれないわ。」と言い捨てて帰ってきてしまったのです。
その当時、私は20代前半。人間的にも未熟だった頃でした。今ならもっと違う言い方ができたかもしれない。私のほうこそ、Aちゃんの気持ちや真意をもっと汲むべきだったのではないか。Aちゃんとのことは、今でも消えない心の傷になっています。
…皆さんには言葉の地雷ってありますか?これを言われたら絶対に嫌だ、許せないという言葉。私にもあります。「変わっているね」「真面目だね」「気が強いね」これらは私がこれまで言われてきた言葉のベスト3なのですが(笑)、それは自分にとってむしろ嬉しい、褒め言葉の類に属します。地雷系の言葉は…そうだなあ。「放っておいて」という言葉は嫌いですね。それと、「おまえ」と言われることも大嫌いです。友達だろうと彼氏、夫であろうと「おまえ」と言う人とは距離を置きますね。親しみの表れという解釈もあるので一般論では決してありませんよ。個人的に私が嫌なだけです。言われると、チッと舌打ちしてしまいます。
このように地雷的な言葉は私にもありますが、年を重ねていくうちに、それを口に出して相手に伝えることは少なくなりました。その人との付き合いが長くなりそうなら嫌だとしっかり伝えますよ。しかし、そんなに付き合いが深くない人には「私はムカついています」なんて敢えて言いません。言わずにそっと離れます。50歳を過ぎた頃から、プライベートでも仕事でも、自分とは合わないなと感じる人とは関わらないようにしています。自分の特異体質の影響もあり、合わない人と話すと酷く耳鳴りがするのです。そして、会った後にどっと疲れます。これからの人生は、好きな人たちと、好きな仕事だけをして過ごしていきたい。…言っちゃった。
でもそのほうが心も身体も健全でいられる気がするのです。仕事に関しても同じです。
と言う訳で、また仕事を再開します。
あ、これは好きな仕事です。