女はみんな強欲でワガママだ。
これは、1330年頃に書かれた「徒然草」の一節。
筆者は吉田兼好です。
兼好は「徒然草」の中で自分の女性観について述べています。
「ごめん、あまりにヒドいこと書いているからムカついてきたわ~」
予備校で授業をし始めた当時、まだ若かった私は、その女性観を読んで気分を悪くしていたものです。
「まぁまぁ、先生落ち着いてよ」なんて、生徒になだめられていたっけ
時が流れ、私もあの頃より大人になりました。
多くの恋愛をしました。
人生経験も積みました。
喜びも悲しみも、出会いも別れもたくさん重ねました。
そんな今、徒然草の同じ箇所を読み返してみると、当時感じていた怒りは全くありません。
むしろ、「なるほど おじいちゃん、よく観察しているね~」と納得する節も多かったりします(笑)。
若い頃の私は、仕事に恋に燃えていました。
「女だからってバカにしないでよ」
そんな態度であらゆる人と接していました。
いつからでしょうか。
「女だからってバカにするな!」
から、
「女だからこそ、やれることがある」
そう本気で思えるようになったのは。
男はズボンしかはけないけど、女はズボンもスカートもはける。
男のような行動力と論理力を持ち、女性らしい細やかな心遣いができるような人間になろう。
…そんな理想の自分を追いかけて、私は今ここにいます。
とにもかくにも。
20代前半の当時、私の血圧を上げてくれた「徒然草」の一節をご紹介しますね(笑)。
徒然草(第107段の意訳)
男は誰でも、女の目を意識してしまうものだ。
では、男に気にされる「女」は、どれくらい立派な生き物だと言うのか?
女の本性は実にひねくれている。
ワガママで、強欲で、常識がわからない。
どうしよう、こうしよう…とフラフラ迷ってばかりだ。
言葉は巧みなのに、こっちが質問した時にはうんともすんとも答えずに、「わかんな~い」と黙りこむ。
と思いきや、聞かれてもいないのに「ええ~っ!?そんなことまで?」ということをペラペラしゃべり出す。
頭を使って言い訳や嘘を考えることにおいては天下一品!
…と言っても、自分の本心がすぐ相手にバレてしまうのに気づかない。
素直じゃなくて、しかも人間的に未熟な生き物が女というものだ。
男たちが、女に気に入られようとするなんて実に情けない!
女なんかの目を気にする必要が一体どこにあるというのだ。
かといって、もし「本当に賢い女」がいたとしても、それはそれで可愛げがなくて…ウザい。
そうだなぁ。
「体裁なんてどうでもいい!自分の欲望や心の弱さをさらけ出そう!」
そう男が開き直ることができた時には、同類である女が愛しくて魅力的に感じられるだろうね~。