幼児から小学校低学年までに、「心情語=気持ちを表すことば」を沢山頭に入れておくとよいでしょう。
気持ちを表すことばが貧困だと、自分の気持ちがよくわからず、相手の気持ちも上手く察することができません。
3才ぐらいまでは、主に「良い気持ち」か「嫌な気持ち」「どちらでもない」のどれかで捉えがちです。例えば…
★お母さんがいない
★お菓子を食べられた
★寝ていたいのに起こされた
などの事態に直面した時、沸き起こる感情全てを「嫌な気持ち」と受け止め、そう表現します。そして、成長して心情語彙が身に付いてくるようになると、
★お母さんがいない→不安・心配・疑問…
★お菓子を食べられた→怒り・残念・悔しい…
★寝ていたのに起こされた→不快・不満…
というように、「嫌だ」と一括りにしていた心情が徐々に細分化されてくるものです。
そもそも人は「言葉」で思考します。身に付いている言葉の量と質は、その人間の世界の大きさ、広さに直結しています。
言い方を換えると、多くの言葉(語彙)を身に付けることで、思考の幅が広がり、広い世界観を得ることができます。逆に、語彙が乏しいと思考が浅くなり、視野も狭いままです。例えば何か問題に直面した際、前者は、
「困ったことになった…。さてどうするか」と、思考のアンテナを伸ばして様々な解決策を模索することができます。しかし後者は、「嫌だ。だからやらない」という短絡的な思考のまま成長がありません。
以上の理由から、多くの言葉を獲得することは賢明に生き抜く上でも大変重要だと言えます。特に、自分の気持ちを客観的に分析したり、相手の心情を推し量ったりする上でも、「心情語彙」はなるべく多く仕入れておいたほうが得です。
みがくでは心情語リストを渡して、まずはそれらを一つずつ丁寧に辞書で調べて「言葉ノート」に書いてもらっています。物語(小説)の読解でもキーになるのは登場人物の「心情」。工夫しながら覚えていって欲しいものです。