塾長ブログ

「いやいやえん」に思う

子どもの頃、大好きだった本です。

作品レビューより
元気だけど、わがままできかんぼうの保育園児のしげるが主人公の童話集。全部で7つのお話がはいっています。表題作『いやいやえん』では、なんでもいやだ、いやだと駄々をこねるしげるが、「いやいやえん」に連れてこられます。「いやいやえん」とはいったどんな園なのでしょうか?
この本には、児童書にありがちな「教訓的」な教えは全くありません(笑)。
ただただストーリーが面白いのです。
かの宮崎駿さんもこの「いやいやえん」に衝撃を受けたお一人だそうで、作者である中川李枝子氏と対談した際にこんなことを述べられていました。
「僕たちが作るファンタジーでは、冒険に出て、いろんなことを経験して、賢くなって、成長して帰ってくる。…でも、そんなの嘘ですよね(笑)。子どもはそんなに簡単に成長しない。子どもは同じ間違いを繰り返すし、それをしていいのが子ども時代であって、そんな子どもそのものの姿が描かれているのが『いやいやえん』や『ぐりとぐら』だと思う」
私もそう思います。
この「いやいやえん」を読んで何かを学んだ記憶はありません。しかし、「本が大好き」になるきっかけとなったことは間違いありません。
ごくごくたまにですが、この作品のレビューで、
「問題児を差別している内容で気分が悪い」、とか、「子どもが主人公の真似をしたらどうするのか」などの書き込みを目にします。
このような意見は「いやいやえん」に限らずありますよね。「このテレビ番組は子どもに見せたくない」、「こんな絵本は子どもに悪影響だ」なんていう声が。
確かに、私も親として指導者として、犯罪や性描写等が多い本は子どもに読ませたくありません。ただ、「言葉遣いが悪い」「人をたたく場面がある」「嘘をついて大人を騙す」「いたずらをする」など…たった数回それらの本やテレビを見せたところで、子どもにそんなに強い影響を与えるものなのでしょうか。たとえ真似をしたとしても一過性のものであって、生き方にまで大きく影響を及ぼすとは到底考えられません。そもそも、物事の善悪や常識などを教えるのは本やテレビではなく、親の務め。その責任を他に押し付けて文句を言うのは全くもってお門違いです。
また、「問題児を隔離するような本は気分が悪い」とありますが、隔離とか差別とか、そんなところに主題はありません。主人公の男の子が厄介者だからいやいやえんに連れていこうとした訳でもありません。お母さんが誤った解釈をされるのはご自由ですが、そんな極論や偏見を子どもには伝えないで欲しい。本や番組を批判する前に、最も身近で、最も我が子に影響を与える立場である自分の言動を振り返って欲しいと思います。
…あらら。今回は珍しく辛口ブログになってしまいましたね(笑)。
自戒の意味も込めて書かせてもらいました。


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