私は高校時代、「倫理」の教科が大好きでした。それはクラス担任で社会科の教科担任でもあった三井貴之先生のおかげです。
今思い返しても、わかりやすくて楽しい授業だったなあ。
みがくを立ち上げる際、20数年ぶりに三井先生とお会いしたのですが、すでに高校を退職して大学や予備校の講師をされていました。相変わらずバイタリティーに溢れていて、沢山の刺激と気付きをいただきましたよ。
その三井先生が書かれた哲学の本をご紹介します。「別冊宝島 まんがで哲学しよう」
私が高校で初めて倫理を習ったとき、最も心に残ったのが、ソクラテスの「無知の知」という思想。
わたしは、『自分が無知だ』ということを知っています。本当は知らないのに、『自分は知っているんだ』と勘違いしているあなたよりもわたしは知恵があるんですよ。
…と論じたソクラテス。
確かに世の中って知らないことだらけです。
例えば、ソクラテスが終生わからなかった「善」というもの。何をもって「善」と言うのか?その基準や定義って何なのか?
どういった行動が善なのか悪なのか?
突き詰めて考えると、答えは何処にも無いような気がしてきます。
「知らない」からこそ「知りたい」と思うのが人間。答え自体よりも、それを探求し続ける姿勢にこそ価値があるのかもしれません。
三井先生の授業のように、わかりやすく哲学について書かれたこの本。もう一度「倫理」を勉強したくなってしまいました。