塾長ブログ

オタメゴカシ

体が心配だからとあれこれ手伝っているが、それはおためごかしに過ぎない。

小学生の頃、この「おためごかし」という言葉を初めて目にしました。その時は、日本語とは到底思えず、「オタメゴカシって何?」と、奇妙な響きのこの言葉に首を傾げながら、国語辞典で調べたものでした。
おためごかしは、江戸時代には使われていた言葉で、漢字では「御為(おため)倒し(ごかし)」と書きます。「表向きは相手のことを思うようなふりをして、実は自分の利益をはかる」という意味です。
御為(あなたのため)と言いながら、実は相手をこかす(=転倒させる)。親切なふりをして相手に近づき、自分の良いように利益を得るような場面に使います。
小学5年生の時のこと。
当時、私は一時期ですがシールを集めていました。ある日、一緒に遊んでいたリーダー的な女の子にこんな話を持ちかけられたのです。
「ねえ、あっけ。これね、お店に売っていない貴重なシールなんだよ。大切にしていたんだけど、あっけにあげる。その代わり…」
そう言って、銀行で無料で配っていたシールを私に押し付け、私が持っていたシールと強引に交換してしまった彼女。
押しきられた私が悪いのです。それでも、彼女が持っていったシールは私のお気に入りだっただけに、とても悲しい気持ちになったのを今でも覚えています。「おためごかし」という言葉を聞くと、その時の感情が甦るのですよね。…どれだけ執念深いのよ、私(笑)。
悪徳商法や詐欺、悪政など、この世の中には「おためごかし」で溢れています。善意か否かを見極めるには、真意を見抜く目や人を見る目が必要です。ことにお金が絡むことには慎重になったほうが良いでしょうね。
ちなみに、こんなシールでした。今も持っていたら「おためごかし」ではなく、本当に歴史的な価値が生まれていたのかも…。


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