今年の第一の目標。
それはズバリ「健康でいること」。
昨年は体調の良い日を数えたほうが早いぐらい怪我や病気に苦しめられた年でした。
細くとも、長く仕事が続けられるように。
娘と1日でも長く一緒にいられるように。
今年はより強く意識をして、健康管理に留意したいと思います。
それに関連し、明治時代に使われていた小学生の教科書にもこんなことが書かれています。
①
🌱大意:勉強ができるのも健康あってのもの。その健康は、養生(生活に気を付けながら健康を増進すること)から生まれてくる。養生している人は「食べ物」と「飲み物」を選び、勉強に努める人は、朝寝坊と昼寝を自分に禁じるものだ。
…現代においては、朝寝はともかくとして、短時間の昼寝はむしろ脳をリフレッシュさせ、健康増進にも一役買うという説もありますよね。しかし、その前に記されている「健康は養生から」という言葉はもはや常識中の常識であり、自明の理でもあります。至極当然の事柄ですが、私にとっては非常に難しいことなのですよ。ついつい心身に無理を強いて勉強や仕事に力を注いでしまいます。2019年は自分自身のためにも、心配してくれる周囲の方々のためにも、「養生」を心掛けたいと思っています。
ところで、この教科書には変体仮名という旧字体が使われています。
例えば、先程の写真①一行目の一番下。
「健康」という漢字の左横の文字を見てください。離して拡大するとこうなります。
③
下の文字は「り」。「利」という漢字のくずし字です。現代の「わ」っぽいですよね。変体仮名の「わ(和)」にも似ているのですが、肩のとんがり具合と幅、最後の線の長さで私は判断しています。
①の二行目の下、「養生」という漢字の下にも「より」と書いてあります。先程の「より」とは形が異なりますよね。
「よ」は現代とほぼ同じ形ですが、これも「与」のくずし字で、先程の③をさらにくずした形です。「り」はアップにすると…
今度は現代の「う」のようにも見えますが、これも「利」のくずし字で、「り」と読みます。1画目と2画目の線を離して書くと、現代の「り」と似た形になります。
この「より」のように、同じ文章中で異なる文字を充てることが多々ありました。平仮名は平安時代に生まれた文字ですが、1つの平仮名にも多くの文字が充てられ、使う人によってまちまちだったと言われています。同じ文章中に同じ文字を使わないように心掛けた人もいれば、統一するように書いた人もいて。私は大学の時にこの変体仮名を学びましたが、最初はかなり苦労したのを覚えています。
前掲写真②の一行目、「物」の下にある文字も旧字体としてよく目にします。
「登」のくずし字「と」です。隣の行には現代とほぼ同じ「と」がありますね。こちらは「止」のくずし字。最終的には、「登」の文字よりこの「と」のほうが残りました。
最後は「は」。
向かって右の文字が「は」で、「者」のくずし字です。左の文字は現代と同じ形の「を」。「遠」のくずし字の(現時点での)最終形です。
この「は」の後ろに文字が続くと、「を」に見えることがあります。書く人の文字の癖によってはまるきり同じにも見えたりして…。そんな時には文脈で「を」なのか「は」なのか判断しました。
最近また「古文書を読みたい欲求」に駆られているので、少々マニアックな記事になってしまいましたね。ごめんなさい!しかし、今回紹介したのは変体仮名の基本中の基本。軽くでも覚えておくと、資料館等で昔の文献に触れた時にきっと役立つと思います😄