沖つ白波
今日、高校生に古文を教えていた際に出てきた表現です。
沖つ白波の「つ」は、上代(奈良時代頃)によく使われていた格助詞。主に「場所」を表す名詞などについて、「~の」という意味合いで使われていました。平安時代以降には徐々に使われなくなりましたが、和歌の中で好んで使う人もいたようです。
と言うわけで、冒頭の「沖つ白波」は、「沖の白波」と訳します。和歌によく使われていた「天つ風」という言葉も同じで、直訳すると「天の風」。「大空を吹く風」という意味の言葉です。
実は現代でも、この格助詞「つ」の使われている言葉が残っているのですよ。
それは「まつげ」。
語源となった漢字を充てると「目(ま)つ毛」。「目の毛」と訳します。
ちなみに、目はもともと「ま」と表記、発音されていました。「ま」という発音が現代にも残っている例として、「まばたき」という言葉があります。この語源は「目(ま)+叩き(はたき)」。だと言われています。
私はもともと語源マニア。小学生の頃から言葉の語源を調べては、ノートに書き綴っていたものでした。
私が古文に興味を持ったきっかけでもあります😄