塾長ブログ

春はあけぼの

3月に入って、だんだん日の出が早くなってきましたね。枕草子の有名な一節に、

春は曙(あけぼの)。やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて…
とあります。白々と明けていく曙の空。この夜明けの空に、出発・スタートの象徴である春を重ねたのでしょうか。ビジュアル的な空の美しさとともに、何か希望のようなものも感じられます。
ところで、古文では「夜明け」を表す言葉が幾つかありますので、ご紹介しますね。
🌕暁(あかつき)
夜半過ぎから夜明け近くのまだ暗い頃。空が明るくなる前の真っ暗の状態。
🌕東雲(しののめ)
東の空だけがほんの少し明るくなった頃。夜が明ける一歩手前。
🌕曙(あけぼの)
日の出直前でまだ薄暗い頃。辺りは暗いけれど、空は薄明かるくなってきた頃。
🌕朝朗(あさぼらけ)
夜が明けて辺りの物がほのかに見える頃をさします。日の出ジャストか数分過ぎたあと。
🌕明日(あした)
空が明るくなり、辺りも完全に見える頃。
大和言葉は本当に繊細です。日本人の細やかな観察眼と豊かな感受性によって生み出された、一種の「芸術」にさえ感じます。
ついでにもう1つ。
清少納言の時代では先の「春は曙…」の一節は次のように発音されていたと考えられています。是非とも口に出して読んでみてください。いにしへ人の気分が味わえますよ 笑。
春はあけぼの。➡ぱるぱ あけぽにょ。
やうやう➡いゃういゃう 
白くなりゆく➡つぃろく にゃりいぅく 
山ぎは、➡いゃまぎぱ
少し➡つこつぃ
明かりて…➡あかりちぇ…


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