「花さき山」。
みがくの山田先生が教室の本棚に寄贈してくれた本です。先生が小学生の時に出会った本で、暗記するほど大好きだったそうですよ。
この作者は「モチモチの木」や「八郎」でも有名な齊藤隆平(挿絵 滝平 二郎)さん。両作品と比較すると知名度は落ちますが、こちらもかなりの名作です。
主人公の女の子あや。あやは山の中で出会った山んばから「優しいことをすると1つ花が咲くのだ」という話を聞かされる…という内容です(詳細は実際に読んでみてくださいね)。
この作品について、
「我慢が美徳とされていた時代はもう終わった」とか、「自己犠牲を子どもに強いるのはどうなのか」などという批判もあるそうです。
受け取りかたはそれぞれなので、決して否定はしませんが、私の解釈はまるで異なります。
我慢や辛抱、自己犠牲。
書かれた時代背景(戦後)を考えると、確かにそれも作品世界を形成する大事な要素なのかもしれません。しかし、重きが置かれているのはそこではなく、「愛」というものの本質にあるのだと思います。「誰かのことを思ってする優しさは、たとえ誰に気付かれないとしても、尊くて美しいものなんだよ。」読み聞かせの後、私ならそう子どもたちに伝えるでしょう。
大袈裟なようですが、幼少期にこの作品に出会えたら、豊かな心を持つ優しい子になるだろうなと本気で思える作品です。
私にとっても懐かしい一冊でした。
山田先生、ありがとうございました。