日本語の特徴の1つに、オノマトベ(擬音語・擬態語)の多さが挙げられます。「ぺちゃくちゃ」「ぐずぐず」「ギャーギャー」などの言葉がそうです。
このオノマトベは平仮名が書かれ始めた奈良時代からよく使われていて、文献にも頻繁に登場します。音を文字で表す万葉仮名と切韻(漢字の発音字典)を参考にすると、当時、どう発音されていたかがわかります。
例えば、動物の鳴き声を表すオノマトベ。
馬(イ)は「イーン」
牛(ム)は「ムー」
蜂(フ)は「ブー」
犬は諸説ありますが、平安時代の書物「大鏡」には犬の鳴き声に「ひよ」と書かれています。
当時は「はひふへほ」は「ぱぴぷぺぽ」と発音され、促音も存在しなかったので、「ひよ」は当時「ぴょう(びょう)」と発音されていたことが予想されます。この犬の鳴き声、江戸前期まで「びょうびょう」時代が続き、江戸末期あたりには今の「わんわん」となったようです。
ちなみに、奈良時代の人の発音で言うと、「とんとん」は「チョンチョン」、「ぴかぴか」は「ピキャピキャ」でした。
何だか可愛らしい(笑)。
いとうひかりを奈良発音すると「イチョー ピキャリ」です。