塾長ブログ

「た」だらけ。

作文で大事な要素の1つが「文末表現」です。
みがくでは今、創作文を書いてもらっていますが、文末表現が単調な子が目立ちます。例えばこんな風に。

私は走った。
ただひたすらに前だけ見て走った。だんだん足が重くなった。息が苦しくなった。ハアハアと言う自分の呼吸と心臓の音だけが聞こえた。

文末に「…た。」という過去の常体表現を繰り返しています。それも1つの効果として成立しますし、間違えでもありません。だけど、どこかワンパターン&稚拙な印象を与えてしまいます。

この文を「現在の常体」混じりに直してみます。

私は走った。ただひたすらに前だけ見て走る。だんだん足が重くなる。息が苦しい。
ハアハアと言う自分の呼吸と心臓の音だけが聞こえた。

…違いがわかりますか?
過去の出来事だからといって、全ての文末を過去形にする必要はありません。最初と最後にだけ過去形を用いて、間は現在形にするのです。現在形をいくつか並べることで、情景や心情を畳み掛け、臨場感を出す効果が期待できます。そして最後は過去形で締めて、過去の出来事を述べているのだと読者に再認識させるとよいでしょう。

文末ひとつで文章全体の印象が変わります。たかが文末、されど文末なのです。


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