もうすぐ近所の盆踊り大会。今年は2日目の仮装大会に娘を出場させます。
いろいろと仮装の構想を練っていたら、初出場にして最後の仮装となった私の小学2年生の夏のことを思い出しました。
とても暑い日の夕方でした。
「スイカが食べたいねー。」と呟きながら団扇であおいでいた母が、思い出したようにこう言いました。
「そう言えば今日は町内の仮装大会だったよね。あっけ、出ればいいしょ。」
出ればいいしょ、と急に言われてもね…。途方に暮れている私を横目に、何か名案を思い付いた様子の母。押し入れを開け、古いシーツをハサミでおもむろに切り始めました。この日も盆踊りに行くために着ていた浴衣。母の手で強引に脱がされ、先程のシーツを頭から被せられました。何やら猛スピードで作業を進めている気配がします。
「暑いよ…。ねぇ、何やってんの?」シーツを被ったままで聞くと、
「わからない?Qちゃんさ。♪あのね、Q太郎はねぇ~♪…のQちゃんだよ。」
なるほど。だから白いシーツなのか。
「できた!Qちゃん!」
母は30分以内でオバQの仮装を完成させました。
「お母さんは観たいテレビがあるから、アンタ1人で行っておいで」と背中を押され家を出る私。
会場に着くと、みんなが私を見てどよめいています。シーツを頭から被っているので、何者なのかわかっていないようです。私はかろうじて目の部分を切り抜いてもらっているので、前方が見えてはいました。ただ、手を上げる度にシーツがバサバサ~、バサバサ~。動きにくいの何のって。
そして何より…暑い!!汗だくです。
結果は9位。もらった賞品はスイカ4分の1個でした。…もう微妙すぎて、喜んでいいのか、悲しむべきなのか、わからないまま帰宅しました。
「9位??やったあ!!!あっけ、すごいじゃない!!すごい、すごい!!!」
そう言って顔をくしゃくしゃにして喜んでいた母の表情、今でも忘れられません。
何故こんなやっつけ的に、娘に仮装させようと思い立ったのか。
自分で言い出したのに、テレビを優先して大会を見に来ないというのはどうなのか。
入賞を喜んだのは、単に念願のスイカをもらえて嬉しかっただけじゃ…?
大人になった今、亡き母に聞きたいことが山ほどあります。
ちなみに、母の作った仮装の衣装はこんな感じです。かなり似ています。
いや、そのものです。
雑~~。ひ、酷すぎるでしょ、コレは。
この衣装で最後まで踊り切った小2の私…。不憫すぎて涙が出ます。
( ノД`)b …アタシ、グッジョブ!!
参考②ウルトラマンに登場する怪獣ジャミラ
ダンナが教えてくれました。
それはQちゃんではない。ジャミラだと。