塾長ブログ

一能一芸の難しさ。

人間は何事にせよ、自己に適した一能一芸に深く達してさえおればよろしい。

これは情熱の歌人「与謝野晶子」の言葉です。

何でもいい。1つでいいから自分に合った技術や特技を身に付けよう。
1つのことをとことん掘り下げ、深めていくと、多くの気付きや学びが得られるはずだから。

…そんな意味の言葉です。
与謝野晶子の研究をしていた20代の頃、この言葉と初めて出会いました。
国語指導という道を見つけ、晶子の言葉通り、私もとことん究めていくんだ!と奮起したのを昨日のことのように覚えています。

でも不思議なものです。
国語という教科を究めようとするほど気付かされるのです。
「国語ばかりを学んでいても駄目なのだ」ということに。

例えば、言語について深く掘り下げると、日本をはじめ諸外国の歴史について勉強せざるを得ません。民俗学も必要です。読解力や論理力について追求すると、命題や証明、文章題など数学的思考(論理を数式という普遍的言語で表したのが数学)との関連も無視できません。

何かを深く掘り下げると、そのものだけでは解決できない別の「課題」が浮上してくるのです。
それらの課題を無視せずに、だけどある程度の限度を設けて追求することによって、より強く揺るぎない知識や技術に昇華するのだと思います。

晶子の言う、一能一芸に深く達することは簡単ではありません。掴んだと思っても、何かのきっかけで土台から揺らぐことさえあります。

ゴールのない孤独な旅。
反省ばかりの苦しい旅。
だけど、この上なく楽しい旅。

私はいつもそう思いながら、国語指導という1本道を歩いています。


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