塾長ブログ

言語習得の柱と古文学習。

言語を覚えるためには、実際にその言葉を使うこと。それに尽きます。

英語を例にするとわかりやすいと思います。単語や文法を駆使して文章を書いたり、読んだり。また、会話を通じて聴いたり話したり。
書く、読む、話す、聴く。実際にこれらを実践して初めて、真の力が身に付きます。

それは他の言語でも同じであり、もちろん日本語も例外ではありません。文を読むだけではなく、自分でも書くこと。そして話す技術と聴く技術。これら4つの力をバランスよく鍛えてこそ、真の国語力が育つのだと私は考えています。

ところで、「古文」は苦手な生徒が多いですよね。「実際に使っていないから」というのも習得できない理由の1つです。
中学や高校で行う古文の学習と言えば、音読を含む「読み」だけです。既に失われた言葉なので現代で古文は話しませんし、聴きません。英作文のように、古文を書くこともしませんよね。言語習得における4つの大事な柱のうち、「読むこと」だけしか練習しない。だから古文は知識が定着しにくいのです。漢字だって、使わなければどんどん忘れていきます。ましてや古文なんて、入試が終わったら速攻忘れられてしまう教科の代表です。

古文の知識(文法や単語)を早く定着させ、どんな問題文にも対応できるようになるために有効な学習は「古文作文」です。
読むだけではなく、覚えた文法や単語を使って短文を作ってみるのです。
例えば、
「花(桜)」と「咲く」、そして高校で習う重要文法を使って、次の短文が作れます。

◆現代語
①桜が咲く
②桜が咲くだろう。
③きっと桜が咲くだろう。
④桜が咲いた。
⑤桜が咲いている。
⑥桜が咲いているだろう。
⑦桜が咲いただろう。
⑧桜が咲いて欲しい。
⑨桜が咲かない。
⑩桜は咲かないだろう。
⑪桜が咲いたら大変だ。
⑫桜が咲くのだ。
⑬桜は咲くか?

◆古文作文
①花咲く。
②花咲かむ。
③花咲きぬべし。
④花咲きぬ。
⑤花咲きたり。
⑥花咲くらむ。
⑦花咲きけむ。
⑧花咲かなむ。
⑨花咲かず。
⑩花咲くまじ。
⑪花もこそ咲け。
⑫花咲くなり。
⑬花や咲く。

まだまだあります。
簡単そうですが、接続や文法的意味などの知識が頭に入っていないと書くことができません。またインプットばかりでも、いざという時に使えないことも多々あります。たまにアウトプット(書いてみること)を実践することを強くお勧めします。

みがくの高校生には全員、この古文作文を演習してもらっていますよ。生徒の好きなアーチストの歌詞を私が古語訳したり、一部は生徒にしてもらったりもしています。
たとえ古文であっても日本語です。1000年以上時は流れても、変わらない言葉もあれば変わらない「想い」もあります。古文の世界に親しみ、興味を持ってもらいたい。
そう願いながら指導しています。


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