塾長ブログ

とうとう VS ついに

※10年前に書いた記事を加筆修正しました。
「とうとう」と「ついに」。似た言葉ですが、皆さんはどうでしょう。区別をして使っていますか。
①この地区にも、とうとうコンビニエンスストアができた。
②この地区にも、ついにコンビニエンスストアができた。
どちらも正しい表現ですが、ニュアンス的には微妙な違いがあります。
どちらにも「ポイントとなる出来事」が書かれている点は同じです。上記例文の場合では「コンビニエンスストアができた」という出来事です。それに対して、「とうとう」は、その出来事が実現する前までの苦労や時間に、
「ついに」は、その出来事が実現した直後の、予想される結果内容に、
それぞれスポットが当てられています。上の例文で具体的に説明しますね
とうとう
コンビニができた…。この日を迎えるまで本当に大変だったんですよ。地域住民の要望を聞いたり、反対する人を説得したりして…。紆余曲折を経てこの地域にコンビニエンスストアが完成したんですよ…(泣)。
ついに
コンビニができた!これからはこの地域も便利になるぞ。ATMも設置されているからあの遠くの銀行までわざわざ行かなくていいし。ああ、嬉しいなあ。これからの生活を考えると本当に助かるわ〜。
①のエピソードでは、出来事が起こる前の苦労などに重きが置かれています。だから、これらを文章にするときには「とうとう」を使います。
対して②は、出来事が起こったあとに予想される事柄が論点の中心です。したがって、「ついに」を使います。
いかがでしょうか。皆さんは今まで両者を意識して用いていましたか。たぶんしていないと思います。そんなことを考えたこともない…とおっしゃる方がほとんどなのではないでしょうか。
だけど不思議なのです。私は昔から小学生から社会人までの作文を指導していますが、この二つの副詞を大体の人は正しく使い分けられています。日本語の感覚として、無意識に両者を使い分けているのかもしれませんね。
今回は少々マニアックな話でした。
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