私が通っていた幼稚園では、ハンカチをピンで胸の辺りに留めて、いつでも手が拭けるようにしていました。
真っ白なレース、人気のアニメやサンリオのキャラクター、動物のイラスト…。お友達のハンカチはどれも可愛くて、とても羨ましかったのを覚えています。一方の私のハンカチはというと、いつも母と兼用の物で、スカーフのような大判のハンカチでした。私の家は裕福では無かったし、母に何かをねだるのはいけないことだと思っていた私は、「子ども用の可愛いハンカチが欲しい」と母には決して言えません。今となれば、ハンカチはハンカチだし、どんなものでも手が拭ければいいでしょと思います。そんなのは些細なことです。だけど、当時の私はひらひらした母のハンカチを身につけるのが恥ずかしかったのですよね。
なぜ今になってそんな話を…とお思いでしょう。それは、これが出てきたからです。
幼稚園年長の時の学習発表会の写真です。ひまわりの飾りを持ってダンスをする出し物だったと思うのですが、私(写真中央)の顔を見て下さい。なんて悲しげなのでしょう。どうしてこんな表情をしているか全く覚えていませんが、私が注目したのが胸元のハンカチです。見た瞬間、「ああ、そうだった…」と当時の記憶が蘇ったのでした。
泣き出しそうなひまわり娘さん。あなたはこれからも周囲の人達からたっぷり愛情を注がれて、強く大きく成長していくよ。だから顔を上げよう。
📸小学校1年生の運動会の写真も出てきました。こっちはちゃんと笑顔です(変な前髪だけど)。