塾長ブログ

Iくんのその後

先週掲載したIくんの「その後」です(2010年に書いた記事)。

今年7月末、母の葬儀で塾時代の同僚N先生と再会しました。後日改めて連絡を取り、先週電話で近況報告などをし合います。

そのうちに話題はⅠくんのことに移り、N先生は「人から聞いた話だけど…」と前置きをしてからⅠくんの現況を話してくれました。

Iくんが14才の時、例の母親が再婚したそうです。その直後からIくんは不登校になりました。いわゆる「ひきこもり」です。
結局、高校へは進学しなかったと聞いています。

小学3年生の彼は、勉強が大好きな子でした。
好奇心に溢れ、人の気持ちがわかる子でした。強い意志と大きな夢を持っている、しっかりとした子でもありました。

9年の月日で彼が変わってしまったとしたら、その原因は何なのでしょうか?
全ての原因だとは決して言いませんが、彼を取り巻く「環境」が彼の人生に大きな影響を与えたことは間違いありません。親を始め、周りの大人たちが彼を変えてしまったのです。
彼をよく知っている私は決して、「単にIくんが弱かっただけだ」とは思えません。言いたくありません。

そして現在。
18才になったⅠくんは、母親の親戚がいる青森県で、伯母のもとに暮らしているそうです。「ある日突然、母親と旦那さんが姿を消したらしいよ」
ふーっと深い溜息をついたあと、N先生は苦しげにそう呟きました。

急に自分の前からいなくなった母親。
Ⅰくんの気持ちに寄り添うと、ギュッと胸が締め付けられる思いがします。

だけど、Iくんは既に何でも自分で出来る年齢になりました。取り巻く「環境」も変わりました。
これからは自分の足で歩き、自分の意志で行動しなければなりません。
もう何もできない子どもではないのです。

これからです。
これからがⅠくんの再スタートではないかと私は思います。

Ⅰくんの人生が輝きと喜びに満ちたものになりますように。
講師としての責務に日々向き合いながら、私は彼の幸せをいつまでもいつまでも願っています。

ここまでが、2010年に書いた記事です。
今回改めてIくんの話をアップしようと思ったきっかけ。実は新たなIくん情報でした。

職業柄、本人に迷惑がかかると申し訳ないので明記は避けますが、Iくんは「夢に向かって大きな一歩」を踏み出したそうです!!

これについては、時期を見てまた詳しく紹介していきたいと思います。

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