北海道ではまだ津波警報が出ていますね。釧路などの道東にも元教え子が暮らしているので、私も落ち着きません。一刻も早く不安が解消されることを祈っています。
津波と言えば、平安時代に編纂された歴史書「日本三大実録」にもその記録が残っています。西暦869年、東北の三陸沖を震源としたマグニチュード8.3の巨大地震=貞観地震(じょうがんじしん)とそれに伴う大津波についての記載です。
概要としては次の通り。
5月26日の夜、陸奥の国で大地震が起きた。空を流れる光がまるで昼間のように辺りを照らし、人々は叫び声を挙げて身を伏せ、立つことができなかった。ある者は家屋の下敷きとなって死に、ある者は地割れに呑まれた。驚いた牛や馬は走り回り、互いに踏みつけ合った。多賀城や倉庫・門などは数も知れず崩れ落ちた。雷鳴のような海鳴りが聞こえて潮が湧き上がり、川は逆流して押し寄せ、たちまち城下に達した。あたり一面は果てしなく浸水し、原野も道も海のようになった。船で逃げたり山に避難したりすることができずに千人ほどが溺れ死に、あとには田畑も人々の財産も、殆ど何も残らなかった。
1000年以上の時が経っても、我々人間は自然の猛威から逃れることはできません。しかし、現代に生きる私たちには集積された知識や情報•生産などの技術があります。天災による被害を最小限に防ぐためにも、その方策を先人たちが紡いできた歴史から学び取る必要があるでしょう。AI時代を生きる私たちが1000年以上前と同じ結末を迎えるとしたら、人間はあまりにも無力です。