今日の明け方、なぜか室町時代の子たちに絵本を読み聞かせている夢を見ました。
読み進めても反応がなく、キョトンとしている子どもたちを見て、「あっ、そうか。発音が今とは違うんだ。」と気づいた私。
当時はまだ、「は、ひ、ふ、へ、ほ」は「ふぁ、ふぃ、ふ、ふぇ、ふぉ」、「せ」は「しぇ」と発音していた時代です。
来日していたキリシタンがイソップ物語(伊曽保物語)を口語に訳した文献が残っています。一節だけご紹介するので、皆さんも実際に音読してみてください。
「アルキツネ、イカニモ ヤシェテ ヒトノクラノ イカニモ シェバイ アナカラ イッテ…」
どんな内容かわかりますか。
「ある狐、いかにも痩せて 人の倉の いかにも狭い穴から 行って…」
実際に発音してみると、意外にもある程度意味がわかると思うのですが、いかがでしょう。室町時代にもなれば現代の言葉に近づいてきています(平安文学が好きな私にとって、室町はほぼ現代語のような感覚です)。前述した通り発音は微妙に異なりますが、全く通じない…という訳ではないと思います。
さて、夢の中の私は咳払いをして読み直しました。
「ふぁなをつんで、いぬのしぇに のしぇ(花を摘んで、犬の背に乗せ)」
ところが、子どもたちはお互いに顔を見合わせながら、わからないという顔をしているのです。「えっ、これでも通じない⁉️」と焦っているところで目が覚めました。朝から何だか疲れました(笑)。